
乾板の旅人ベロック

1910年頃、アメリカはニューオリンズに、一人の写真家がいました。
ロートレックのように小柄で、一見地味な写真家が亡くなった後に、89枚の乾板が引き出しに遺されていました。
後年、写真家リー・フリードランダーがあるギャラリーを訪れ、ベロック撮影の乾板を見出し関心を抱きました。1966年フリードランダーは、ベロックの乾板89点を買い取り、焼付け作業を行ないました。こうして1970年にニューヨーク近代美術館で公開されるなど、ベロックの女性たちは再出現した買われ、プリントされて世に出ました。
そこには、ニューオリンズの娼館の女性たちの、あるがままの姿が映し出されていました。






乾板が時の洗礼を持ってこのように迫力ある作品になったものも在ります。

しかし、おおむね、娼婦がベロックの前で屈託なく自分をさらけだしたり、貴婦人を装ったり、
100年前に賎業につきながらも、一人の女性として、のびのび生きていた証を、乾板に時を閉じ込められた女性から、感じ取ることができるのです。





後年ヌーベルバーグの奇才と言われたルイマルにより、ベロックは映画化されました。
プリティウーマン。

ルイマルは何かで語っています。ベロックに不思議の国のアリスを書いたルイスキャロルの撮った少女写真との関連性を感じると。




確かに、ルイスキャロルの少女たちも、固く引き出しの中で保管されていて後年まで出ませんでしたね。
つまり超個人的に、大切に、保管されていたものなのです。
そこにはタブーと世間から言われることを畏れた、写真を撮る人と、被写体としての少女や娼婦たちの、濃密な私的な、愛の時間が託されているのでいるのでした。
Artはこのように、作り手と作られる側の共同作業で芸術と呼ばれるある領域に達することがままあるのです。
それは、一言で言えば、愛です。
中和ギャラリー
sokeiファイル
連絡、お問い合わせはこちらから

中和ギャラリー版浜田澄子ページ
創形ファイル
sokeiファイル 2013年宙の楽園
どれからもHPに飛びます。




お好きなのをクリックして頂けると嬉しいです。

にほんブログ村


http://blog.with2.net/link.php?1283326imgs-51.fc2.com/a/r/t/artanne/banner.gif" target="_blank">


写真日記 ブログランキングへ


tumler
お花日記
facebook 画家浜田澄子
Facebook版作品だけのページです、説明しっかりしてます。
新しいショップの前に、今までのを、、、、、
ネットギャラリーショップArtAnneRose
ネットショップArtAnneRose
http://hamadasumiko.justhpbs.jp</span>">
http://hamadasumiko.justhpbs.jp
- 関連記事
-
-
瀬戸内国際芸術祭2013 6 直島その5 「100生きて死ね/100 Live and Die」 2013/09/07
-
瀬戸内国際芸術祭2013 5 直島その4 『ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム』 2013/09/06
-
瀬戸内国際芸術祭2013 4 直島その3 モネの部屋 2013/09/05
-
瀬戸内国際芸術祭2013 3 直島その2ジェームズ・タレル 2013/09/04
-
瀬戸内国際芸術祭2013 2 直島その1 2013/09/03
-
瀬戸内国際芸術祭2013 夏期が終了しました。1 宇野港 2013/09/02
-
明治の光をかいま見せてくれた井上安治という絵師 2013/07/31
-
乾板の旅人ベロック 2013/07/27
-
シルヴィ・ギエム 2013/02/25
-
針のような雨の音 2012/09/04
-
女の写真2 マリリン 2012/08/23
-
女の写真 2012/08/21
-
古い銀座はヌーベルバーグの香り 2012/06/06
-
ピュアで真摯な須田国太郎の絵画 2012/05/26
-
見せ物小屋 2012/05/10
-
スポンサーサイト